感性とデータの両立は、仮説ではなく「実証」の段階に入った

感性とデータの両立は、仮説ではなく「実証」の段階に入った

── HCII 2026 採択のご報告と、ここまでの整理

これまでこのブログでは、
マーケティングにおける
「感性」と「データ」の関係について、
考え方や実務の視点から書いてきました。

本日は、その延長線上として、
ひとつのご報告があります。

私たちが進めてきた研究が、
国際学会 HCII(Human-Computer Interaction International)2026 に採択されました。


HCIIは、
人とテクノロジーの関係性を扱う
国際的な学術会議です。

  • 人はなぜその行動を取るのか
  • 情報はどのように意思決定に影響するのか
  • 感情や直感は、どのように扱えるのか

といったテーマを、
実証データをもとに議論する場です。

マーケティングや広告というより、
その一段深い
「人間の行動そのもの」を扱う領域になります。


この研究は、
最初から「論文を書こう」と思って始めたものではありません。

実務の中で、
ずっと感じていた違和感がありました。

  • 同じ動画でも、
    Instagram・YouTube・TikTokで
    反応の質が明らかに違う
  • 数字は取れているのに、
    行動につながるものと、つながらないものがある
  • 「感性が大事」と言われるが、
    それをどう検証すればいいのか分からない

この違和感を、
「感覚」ではなく
データで説明できないか
というところから、研究が始まりました。


研究では、
実際のフィールドで短尺動画を継続的に制作・投稿し、

  • 行動ログ
  • コメント内容
  • プラットフォームごとの反応差

を収集・分析しました。

その結果、

  • Instagram:保存・共感(Save)
  • YouTube:検討・計画(Plan)
  • TikTok:即時行動(Impulse)

という、
明確な役割分化が見えてきました。

感性に基づく反応と、
行動として現れるデータが、
分断されていなかったのです。


この結果が示しているのは、
「感性が大事」という話ではありません。

感性は、扱い方次第で検証できる
という事実です。

  • どの表現が
  • どの文脈で
  • どの行動につながったのか

それを丁寧に追えば、
感性とデータは
対立しないどころか、
相互補完の関係になります。


この研究がHCIIに採択されたこと自体が、
ゴールではありません。

重要なのは、
これまで「現場の勘」や
「経験談」として語られがちだった領域が、

国際的な学術の文脈でも
議論可能なレベルに整理された

という点です。

つまり、

  • 実務
  • 思想
  • データ
  • 学術

が、ようやく同じ土俵に乗り始めた
ということだと考えています。


このHCIIの研究は、
このブログで書いてきた

  • 正しさだけでは伝わらない
  • 物語や文脈が必要
  • データと感性は同時に使うべき

という話の
裏付けにあたります。

思想として語ってきたことが、
実証のフェーズに入った。
それだけの話です。


今後、この研究内容は

  • 実務への落とし込み
  • 地方ビジネスへの応用
  • コンテンツ設計への展開

といった形で、
少しずつ公開していく予定です。

ただし、
研究を振りかざすつもりはありません。

これまで通り、
現場で役立つ形に翻訳することを
最優先にします。


感性とデータの両立は、
理想論ではありません。

実証の段階に入りました。

HCIIでの採択は、
その一つの通過点にすぎませんが、
ここまで積み上げてきた考え方が
間違っていなかったことを
静かに示してくれています。

引き続き、
このブログでは
その過程を共有していきます。